プラント機器

原子燃料サイクル関連設備

原子力発電所から発生する使用済核燃料の輸送キャスクおよび貯蔵キャスクをはじめとして、原子力発電所用の熱交換器などの補機類、再処理工場で用いられている容器、機器類を中心に製作しています。特に、使用済燃料輸送・貯蔵キャスクは、1978年に国産第1号となるHZ-75Tの開発・製造以来40年以上の実績を有しています。2011年にはASME(米国機械学会)の原子力施設・設備関連の容器、機器に関するNスタンプを取得しており、今後、原子力発電所向け原子力機器の製作にも積極的に取り組んでいきます。

主なサービス・製品

金属キャスク

原燃輸送(株)殿向け NFT-14P型輸送容器

キャスクとは原子力発電所の使用済核燃料を安全に輸送および貯蔵するために用いる容器で、燃料を収納する胴が厚い金属製であるため金属キャスクと呼ばれます。

キャスクは使用済核燃料に含まれている放射性物質の閉じ込め、放射線の遮蔽、除熱、未臨界の各安全機能を一つの容器に有しています。当社では顧客のニーズに応じた設計・製造を行っており、現在までに100基以上のキャスクの納入実績を有しています。

日本原子力発電(株)殿向け 乾式貯蔵キャスク
日本原子力発電(株)殿向け 乾式貯蔵キャスク鳥瞰図

コンクリートキャスク

(一財)電力中央研究所殿ホームページより

金属の代わりにコンクリートを遮蔽体として使用しているキャスクをコンクリートキャスクと呼び、米国では使用済核燃料の乾式貯蔵に多く採用されている方式です。使用済核燃料を溶接で密封された金属製のキャニスタに収納して貯蔵することでより高い安全性を実現することができ、キャニスタは頑丈なコンクリート製のキャスクに格納されます。

当社グループでは設計から製造まで一括して提供することができ、現在グループ会社のNAC International社と共同で主に米国の発電所に供給しています。これまでに約600基のコンクリートキャスクの納入実績があります。

NAC MAGNASTOR キャニスタ (TSC-DF)
NAC MAGNASTOR コンクリートキャスク

中性子遮蔽材

NS-4-FR 中性子遮蔽材

当社はNS-4-FRをはじめとして6種類の中性子遮蔽材のライセンスを保有しており、国内ライセンシーおよび米国NAC Internationalを通じて全世界に販売しています。中性子遮蔽材は使用済核燃料等から放出される中性子線を遮蔽するためキャスクの蓋や底、胴内部などに使用されています。その中でも代表的なNS-4-FRはエポキシ系の固体樹脂であり水などの液体の遮蔽材と比較して扱いやすく、高温で使用できるため当社キャスクだけでなく世界中で使用実績があります。

研究開発

R - PUF 緩衝体

R-PUF 緩衝材

金属キャスクで放射性物質を輸送する際、輸送中の事故に備えて緩衝体(緩衝材を詰めた缶体)をキャスクに取り付けます。従来の緩衝体はバルサ等の木材を緩衝材としていましたが、当社では資源保護の観点から木材に替わる硬質ポリウレタンフォーム(Rigid Polyurethane Foam:R-PUF)の緩衝体を開発しています。

R-PUFは密度のコントロールが容易なことから、各キャスクに適した設計を行うことで衝撃吸収能力を向上させることが可能です。また木材で必要だった乾燥作業も不要になり工期短縮に貢献しています。

落下試験

キャスクの設計ではハンドリング中や輸送中の事故を想定した数値解析を行うことで安全性を評価していますが、加えて1/3のスケールモデルを用いた落下試験を実施して解析と比較することで設計の健全性を確認しています。

また、R-PUF緩衝体を用いたキャスクの落下試験も実施しており、必要な衝撃吸収能力を有することおよびそうした事故から使用済核燃料を守る高い安全性を確認しています。

関連技術

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