電気分解技術・メタネーション

電解装置

電解装置は、海水または塩水を直接電気分解することで次亜塩素酸ナトリウムを生成し、微生物や貝類などの海洋生物の付着を防止する装置です。
発電所や臨海工業地帯のさまざまなプラント、さらに船舶にも搭載され利用されています。
また、水族館などの水質改善や透明度維持、上水道の殺菌用としても活用されています。

特長

  • 安全性、信頼性が高い防汚装置であり、豊富な納入実績を有している
  • 原料は海水(塩水)と電気のみであり、薬液注入と比較してランニングコストが低い
  • 経年変化による濃度変更を考慮する必要もないため、安定した運用が可能
  • 心臓部である電極には、自社開発した特殊貴金属コーティング電極を使用しており、低コスト化・高効率化・長寿命化を実現
  • スマートグラスを用いた遠隔診断も可能

主なサービス・製品

原理

電解装置は、海水あるいは塩水に直流電流を流すことにより、陽極面で塩素(Cl2)を発生させ、陰極面では苛性ソーダ(NaOH)が発生します。
この塩素と苛性ソーダが反応し、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が生成されます。
また、陰極面で発生する副生成物の水素は、脱気筒などにて分離され安全に大気へ放出されます。

電解装置のイメージ図

プラント向け陸用海水電解装置「ダイキハイクロレーター®」

原子力発電所にも採用実績のある、安全性と信頼性の高い防汚装置

海水を電気分解して生成した次亜塩素酸ナトリウムを海水取水口などに注入することで、海洋生物の付着による配管内閉塞を防止します。
当社は、1967年に海水電解装置の販売を開始し、発電所・海水淡水化設備向けを中心に国内および海外で数多くの実績を有するトップメーカーです。
納入実績は国内外あわせて300件(2021年2月現在)を超えており、安全性と信頼性が重視される国内の原子力発電所にも数多く採用されています。

システム構成機器

当社の海水電解装置は、直送システム、受槽システム、循環システムの3種類があります。

直送システム
直送システムのイメージ図
受槽システム
受槽システムのイメージ図
循環システム
循環システムのイメージ図

電解槽ラインナップ

当社の電解槽は、単極式、複極式の2種類があり、自社開発・製造の高性能、高寿命アノードを使用しております。

単極式電解槽

単極式電解槽は、国内で150プラント、海外で50プラントの納入実績があり、スケールのつまりを最小限に抑える構造(特許取得済)の電解槽を採用することで、年1回のスケール清掃で充分です。

型式 6L 10L 10WL 15L 15WL
発生量 kg/h 0.5 1.5 3 3.5 7
海水使用量 m3/h 10 24 55
入力容量 4 13 25 30 59
電力消費量 ※1 > 4.0 > 4.0 > 4.0 > 4.0 > 4.0
  1. ※1標準海水使用時による。
複極式電解槽

複極式電解槽は、主に塩素発生量が50kg/h以上の大容量の海水電解装置に使用されており、Hitz日立造船は1系列あたりの塩素発生量で200kg/h以上の超大型海水電解装置にも8件の納入実績があります。

型式 15BL 25BL 35BL
段数 6 8 10 6 8 10 6 8 10
発生量 kg/h 10 13 16 28 37 46 54 72 90
海水使用量 m3/h 24 75 150
入力容量 80 97 107 215 277 338 420 541 661
電力消費量 ※1 > 4.0 > 4.0 > 4.0
  1. ※1標準海水使用時による。

構成例(例:塩素発生量50kg/hの装置)

海水電解装置は、発生量によって複数の電解槽から構成されます。

単極式電解槽

50kg/h÷7kg/h(15WL電解槽1槽あたりの発生量)=7.1槽 → 8槽 (型式:15WL-8)

複極式電解槽

50kg/h÷16kg/h(15BL-10電解槽1槽あたりの発生量)=3.1槽 → 4槽 (型式:15BL-10-4)

実績

納品実績

納品実績の図
229Plants / 2008年9月現在
納品実績の図
20,004kg/h(合計) / 2008年9月現在

関連技術

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