弓ヶ浜水産㈱・米子陸上養殖センター、陸上養殖マサバを初水揚げ
~ 水処理技術で循環式陸上養殖システム構築に貢献 ~

2021年11月26日


 日立造船株式会社(大阪府大阪市、代表取締役 取締役社長兼COO:三野 禎男、以下、日立造船)と日本水産株式会社(東京都港区、代表取締役社長執行役員:浜田 晋吾、以下、ニッスイ)およびニッスイの連結子会社である弓ヶ浜水産株式会社(鳥取県境港市、代表取締役社長:竹下 朗、以下、弓ヶ浜水産)は、鳥取県米子市に建設された弓ヶ浜水産の米子陸上養殖センターで国内初となるマサバの大規模な陸上養殖システムの共同開発を行っていますが、2021年11月25日に弓ヶ浜水産が初水揚げを行いました。
 初回水揚げロットのマサバは1尾あたり250g~350gとなり、量販店水産売場や地元の卸売事業者向けに販売しました。
【水揚げしたマサバ】
米子陸上養殖センターマサバ初水揚げ_水揚げしたマサバ_t20211125.jpg

 本共同開発では、ニッスイおよび弓ヶ浜水産による養殖飼育に関する知見と、日立造船の水処理技術の融合による循環式陸上養殖技術の確立を目指しています。
 日立造船は、大規模養殖を維持するために独自の循環水処理技術を本共同開発に活かしており、その主な特長は次のとおりです。

1.独自の水処理技術や「流体シミュレーション技術」を活用した水槽設計により、養殖魚の排泄物や残餌など固形物除去の効率化や、水温、水質などを養殖魚の育成に最適な飼育環境にすることが可能。
2.養殖魚の排泄物や残餌由来のアンモニアを硝化処理するシステムに独自の浮遊性ろ材を使用することで、設備のコンパクト化やイニシャルコストの低減を実現。
3.独自の画像解析技術を活用し、リアルタイムで魚群の遊泳状態を識別する解析手法を開発し、養殖魚の摂餌状況や遊泳速度などを高い精度で数値化可能。
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 本共同開発により、日立造船はマサバ育成に最適な飼育環境を把握し、水質管理手法の確立したことで、出荷サイズまで安定して成長させることが可能となりました。また、米子陸上養殖センターで得られた解析データはタブレット端末などで遠隔監視が可能であり、給餌の最適化や異常行動の検知などを可能とするシステムとして、実用化に取り組んでいます。
 日立造船は、上下水処理やし尿処理など水処理事業を長年手がけており、更に水族館の水処理システムも手がけています。日立造船の循環式陸上養殖システムはそれらの水処理技術に関するノウハウを活かした技術であり、日立造船は年々増加する魚の陸上養殖の需要に積極的に貢献していきます。