AIを活用し、食品工場の目視検品作業を効率化させるシステムを開発
~イオンフードサプライのプロセスセンターで本格運用を開始~

2020年12月14日

日立造船株式会社は、このほど、AI(人工知能)を活用し、食品工場の検査業務を効率化させるシステムを開発し、2020年10月よりイオンフードサプライ株式会社(代表取締役社長:戸田 茂則 本社:千葉県船橋市)で本格的に運用を開始しました。

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【開発の背景】
食品業界では、食の安全を守る“フードディフェンス”を目的に、各種検査装置の導入など対策を行っています。そうした中で当社は、生産ラインの記録映像を効率良く検証するシステム「食レコ®」を2006年より食品業界に提供し、これまでに約200施設へ導入してきました。
また、スーパーマーケットへ肉や魚などの生鮮食品を納入する食品加工センターでは、食材を盛付け・包装した上で、商品ラベルや値付けラベルを貼る工程がありますが、作業者が目視でラベルの正誤検査を行っていることがほとんどであり、作業者の業務負担軽減やヒューマンエラー対策に加えてペーパーレス化が求められていました。
これらの課題に対し、食レコ®で蓄積した知見とAIを活用し、検品作業を正確かつ効率化するシステム「リモートラベルチェックサービス」を開発しました。

【本システムの概要と特徴】
本システムは、作業者とAIの協働により、作業者の技能や判断に頼らない検品作業を実現します。
作業者は、タブレット端末のガイダンスに沿って製品を撮影し、その撮影した1枚の画像から製品の内容物とラベルが製造指示内容と一致するか否かをAIが判定します。

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本システムの特長は以下のとおりです。
・現場作業に則したシステム化により、作業全体のヒューマンエラー防止、作業者の業務負担低減、業務の効率化が図れます。
・検品時間は従来比で半分になり、生産性を向上させます。
・データの運用は社内のICT活用の拠点である「Hitz先端情報技術センター(A.I/TEC)」で行うことで、適時性と専門性を兼ね備えたワンストップのサービス提供を実現させています。

【イオンフードサプライでの導入事例】
イオンフードサプライでは、全国5拠点(千葉、神奈川、静岡、愛知、兵庫)の包装値付け工程で評価・試行の後、運用を開始しました。商品ラベルと製品形態の組み合わせは1000通り以上あり、これらの目視検品をAIで代替することで、目視負荷を90%以上削減することができ、作業効率の改善に貢献しています。

【今後の展開】
当社は本システムを本年12月より販売を開始します。当社は今後も画像・AIの分野で食の安全・安心と生産性の向上に貢献をしていきます。   

【イオンフードサプライ株式会社の事業概要】
イオングループの食品加工センターとして、1981年より水産・畜産・農産と生鮮デリカの製造及び加工を行い、店舗に商品供給を行っています。おいしさにこだわり、価値ある商品の安定供給に取り組むとともに、お客さまに安全・安心をお届けできるよう努めています。