Hitz技報第81巻第1号

当社 および 株式会社ニチゾウテックは、熱交換器における管端溶接部のフェーズドアレイ超音波探傷画像に対して人工知能技術 を適用し、溶接欠陥を自動判定 するシステムを開発した。
すでに我々は2016年に管端溶接部を対象としたフェーズドアレイ超音波探傷試験装置は開発していたが、検査員が目視で1枚ずつその探傷画像中の溶接欠陥有無を判定していた。このため、検査コストや検査員への負担が課題であった。
今回、開発したシステムは、従来の画像処理に人工知能技術を用いた判定手法を組み合わせることで、溶接管単位で約99%の判定精度を実現した。さらに、実機の検査業務に適用した結果、検査時間を従来比で75%削減できた。

キーワード
#非破壊検査 #熱交換器 #超音波探傷 #Deep Learning #YOLO #CNN #AutoEncoder
SDGsに貢献する技術
熱交換器の管端溶接部におけるUT検査にAI技術を適用することで、検査員の作業負荷軽減に貢献している。
また検査時間を短縮できるため生産性向上にもつながっている。
文責者
和田貴裕
共同執筆者
井岡良太、篠田薫、片山猛、安部正光、竹中俊哉、服部洋

キャスク・キャニスタは原子力発電施設から排出される使用済み核燃料を安全に輸送、貯蔵するための容器である。当社は1978年に国産第1号となる輸送容器の開発・製造以来 30年以上の実績を有しており、近年ではコンクリートキャスクの研究・開発を進めている。 金属キャスクとは異なり、コンクリートキャスクに格納されるキャニスタには内圧の監視が義務付けられていないが、長期保存中にキャニスタ表面に応力腐食割れ(SCC)が生じると内圧が低下する恐れがある。
この内圧低下を検知できれば、内部ガスの漏えいを検知できる。本研究ではキャニスタ内圧の変化に伴うキャニスタ表面の温度変化に着目し、キャニスタの頂部と底部の温度差から内圧の低下を検知する漏えい検知器の開発を目的とした数値解析を実施した。結果は共同研究先である(一財)電力中央研究所の実験結果と一致しており、漏えい検知手法の有用性が確認できた。上記の数値解析に先駆けて実施した精度検証のためのベンチマークテストと、その定量的な評価結果についても記す。

キーワード
#CFD #コンクリートキャスク #漏えい検知
SDGsに貢献する技術
電力中央研究所との共同研究で、コンクリートキャスクを用いた使用済燃料の長期貯蔵のための監視手法の1つとして、キャニスタ表面の温度差を用いた内部ガス(ヘリウムガス)の漏えい検知手法の有効性を確認した。当社の数値解析技術を活かして、適正な廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化すべく研究を続けていく。
文責者
清水康介
共同執筆者
後藤将徳

浅川清流環境組合様 新可燃ごみ処理施設建設工事において、Hitz日立造船(以下、当社)最新技術である、消石灰を利用した集じん灰再循環システム、改良型火格子ブロック、ならびにショックパルス式スートブロア(高圧ガス燃焼式スートブロア)の3種について、新設のごみ処理施設としては初めて導入した。竣工して数か月が経過しているが、各技術とも計画通りの性能を発揮している。そこで、短期間の運転ではあるがこれらの運転状況について紹介する。

キーワード
#ごみ処理 #集じん灰循環システム #Rsorp #新型火格子 #ショックパルス
SDGsに貢献する技術
集じん灰循環システムでのごみ焼却排ガスの高度処理による環境負荷低減、新型火格子とショックパルス式スートブロワでのごみ焼却施設の長寿命化による資源節約を推進できる。
文責者
酒井暁光
共同執筆者
瀬川敦永、木本祐一
汚泥再生処理センター

Hitz日立造船は、2020年5月に発表した中期経営計画「Forward 22」の中で、目指す方向として「クリーンなエネルギー・水の提供」と「環境保全・災害に強い街づくり」を掲げている。本稿では、「クリーンな水」を提供できる当社の水事業を概説し、当社の目指す水処理の役割を述べる。

キーワード
#水処理 #SDGs #汚泥再生し尿処理事業 #下水道事業 #繊維ろ材 #リン回収
SDGsに貢献する技術
水はすべての生物が生きていくために必要不可欠なものである。当社は水環境を改善できる技術を保有しており、クリーンな水を供給する事業を展開している。この水処理技術と当社が進めるエネルギー供給、社会インフラ整備を有機的に結合することで、「環境保全、災害に強く豊かな街づくり」を目指している。
文責者
大地佐智子
共同執筆者
吉田弘

[ 短報 ]

当社では、IoTやAI技術を活用して、製造現場における作業の効率化、生産性や安全管理の向上に資する技術開発に取り組んでいる。本稿では、作業員の事故予防を目的に開発したジブクレーン安全対策システムについて紹介する。本システムは、ブームの先端とクレーン操作室の下部に設置した2台の監視カメラ画像から、ディープラーニングの物体検出技術を用いて作業員とフックを検出し、両者の位置関係から危険の有無を判定する。竣工して数か月が経過しているが、各技術とも計画通りの性能を発揮している。
そこで、短期間の運転ではあるがこれらの運転状況について紹介する。また、危険領域へ作業員が近づいた際には、報知器によりクレーン操縦者と作業員へ通知する。本システムの特長は、ブームが上下に移動した際も判定する危険領域を適正に特定することや、各カメラ画像に対してデータ拡張を施し、作業員検出の頑健性を向上させたことである。

キーワード
#安全対策 #クレーン #AI #IoT
SDGsに貢献する技術
IoTとAI技術を活用して、クレーン作業時の事故を防止するシステムを開発した。当社では、従業員が安心して製造できる環境を提供することで、作業効率向上、生産性向上につなげている。

紫外線を照射することで、食中毒の原因となる微生物を殺菌できることが広く知られている。Hitz日立造船では紫外線発光ダイオードを用いて、食品や医薬品の容器を殺菌する装置を開発し、提供している。当社の紫外線殺菌装置は、光学解析技術や微生物を用いた殺菌検証技術をベースに、容器の形状や殺菌対象の微生物種、殺菌基準などに合わせて設計しており、効率的に殺菌できる。本稿では、これらの技術について事例を含め紹介する。

キーワード
#紫外線 #UV #LED #発光ダイオード #殺菌 #滅菌 #不活化 #光学解析 #微生物 #食中毒 #包装容器 #充填機 #液体充填 #設計
SDGsに貢献する技術
当社は、食品/飲料や医薬品の安全を守るため、容器を殺菌する装置を提供している。食品/飲料・医薬品メーカーの生産性向上を図るべく、殺菌する容器の形状と殺菌対象の微生物の種類に合わせて効率的に殺菌できる深紫外線装置を設計している。

ポリ乳酸(PLA)はバイオマス由来で生分解性も示すため、近年、注目される材料であるが、脆く割れ易い問題を抱えている。一方でトチュウエラストマー®は高弾性を有する樹脂であり、当社ではこの特長を活かすことで、物性改善されたPLAの開発に取り組んでいる。今回、トチュウエラストマー®を用いた、高靭性を示すPLAの連続方式による混練と長尺シートへの成型性を検討し、良好な性能を得た。これにより、トチュウエラストマー®/PLA複合材の連続生産が可能となり、また、同複合材で成型した長尺シートの靭性は、PLA単体の13倍以上に向上した。

キーワード
#バイオマスプラスチック #連続生産
SDGsに貢献する技術
当当社は、自社開発したトチュウエラストマー®とポリ乳酸との複合材(高靭性のポリ乳酸)を連続生産する技術を開発し、バイオマス由来原料の用途拡大を図っている。

近年、ごみ焼却発電施設は地域に密着したエネルギーセンターとして、施設の安定した運転だけでなく、さらなる環境への負荷低減が求められている。これに対し当社は、2炉一次燃焼室後部から、再循環排ガス(以下、RFG)または空気を高速で吹き込むことで、安定的にNOxを低減する燃焼技術を開発し、多くの施設に適用している。
本稿では、その技術を適用した施設のうち、空気を吹き込んでいる施設として“倉敷市水島清掃工場”の高速空気吹き込み試験結果、RFGを吹き込んでいる施設として“京都市南部クリーンセンター第二工場”の運転状況を報告する。

キーワード
#焼却炉 #低NOx燃焼 #排ガス循環
SDGsに貢献する技術
環境負荷を低減するため、ごみ焼却炉内の低NOx燃焼技術の開発を進めている。発生NOxを低減することにより、還元剤の使用量が削減され、排ガス処理装置の長寿命化も図れるため、資源節約にもつながる。
システム概要と清掃イメージの図

都市ごみ焼却発電施設の主要設備である蒸気タービン復水器(以下、復水器)は、フィン付き伝熱管(フィンチューブ)で外気との熱交換により蒸気を冷却する。長期的な運用でフィンチューブが目詰りを起こすと復水器の冷却性能が低下し、施設の発電出力に影響を及ぼすことが問題になっている。
これに対し、当社では復水器の性能維持管理システムの開発に取り組んでおり、本稿ではエア噴射式の自動清掃を特長とする蒸気タービン復水器能力維持管理装置を紹介する。

キーワード
#都市ごみ焼却発電 #復水器 #自動清掃 #能力維持管理
SDGsに貢献する技術
蒸気タービン復水器への清掃装置の導入により、長期間にわたる安定した発電出力の維持が可能となる。加えて、排水処理不要のエア式清掃方式の採用により、環境負荷の低減と点検・整備作業の大幅な時間短縮、作業安全性の向上を実現した。都市ごみ焼却発電が再生可能エネルギーとして注目される中で、本装置が発電出力の低下を抑制し、ごみ焼却エネルギーの利活用最大化と持続可能な社会の実現に寄与するものと期待する。

2019年3月に竣工した長野広域連合様向け「ながの環境エネルギーセンター」は、ストーカ式ごみ焼却炉に電気式(プラズマ)灰溶融炉を併設した施設である。
「未来に向けて突き進む『サスティナブルEco Ship』~エネルギーと資源が循環する施設をめざして~」をコンセプトに「地域の低炭素化に向けた電力の地産地消」、「溶融スラグの有効利用、焼却残渣の資源化による資源循環の促進」、「地域の防災拠点」、「環境教育の起点となる施設」を特徴とした施設である。本稿では、本施設の特徴やこれらの取り組みを通じて、SDGsへの適用状況を紹介する。

キーワード
#ながの環境エネルギーセンター #長野広域連合 #neo RiSe®
SDGsに貢献する技術
当社は、クリーンエネルギーの供給、焼却残渣の資源循環が可能なごみ焼却発電施設を提供している。その施設に自然災害に備えた多数の機能を持たせることで、周辺住民の一時避難所としての役割も担うことができる。これからもサステナブルで、安全・安心な社会の実現に貢献するため、地域の環境保全と循環型社会の構築を推進していく。
MADOCA測位補正情報配信サービスのイメージ図

グローバル測位サービス株式会社(以下、GPAS)は、センチメートル級の高精度測位補正情報配信サービスのグローバル事業実現を目指して2017年6月に設立された。本年2020年8月よりインターネットによる商用配信サービスを開始しており、更に準天頂衛星「みちびき」による高精度測位補正技術実証実験において補正情報配信を技術実証の枠組みで実施しており、現在みちびき(2・3・4号機)からアジア・オセアニアに向けてL6Eチャンネルで提供されている。
GPASの補正情報を利用する測位ユーザーは、世界各地でいつでもどこでも水平方向10cm以下の高精度測位が可能となり、海外・海洋などで様々なアプリケーション適用と利用の拡大が期待される。

SDGsに貢献する技術
Hitz日立造船が出資しているグローバル測位サービス株式会社は高精度測位補正情報を生成している。当社の社会インフラ・防災設備に高精度測位を取り入れることで、災害に強い街づくりを促進し、第一次産業の人手不足の解消を目指していく。
金型レスのレーザーブランキング装置の図

近年、自動車ボディ成形用のブランク材加工において、レーザーブランキングが注目を集めている。ブランク材加工では、打抜き用の金型を用いたプレスブランキングが主流であるが、レーザーブランキングでは、金型が不要となる。この「金型レス」が最大の特徴である。
エイチアンドエフでは、2015年に納入した1号機に続き、2019年に2号機を納入した。2号機は、補修部品等を生産しており、少量多品種生産に対応した設備である。そのため、特に「金型レス」の効果が大きく、顧客からの好評を得ている。

キーワード
#レーザー #ブランキング #プレス #金型 #ブランク材 #コイル
SDGsに貢献する技術
自動車部品を製造する企業の資源節約による製造コスト低減を図るため、Hitz日立造船のグループ会社である株式会社エイチアンドエフは、金型の製造を省けるレーザーブランキング装置を提供している。

Hitzの技術についてのお問い合わせはこちら

お問い合わせ