2004年06月25日
京都市向け日本最大級・廃食用油燃料化施設完成
~年間約4,000トンの二酸化炭素の排出抑制効果~
Hitz(日立造船株式会社)は、このほど、京都市向けに日本最大級・廃食用油燃料化施設を完成しました。本件は、てんぷら油等の廃食用油にメタノールを加えてメチルエステル化することによりバイオディーゼル燃料を製造する設備で、地球にやさしい天然資源循環型のエネルギーリサイクルシステムです。バイオディーゼルは植物油を原料とするため、軽油に比べてディーゼル車排気ガス中の黒煙や硫黄酸化物が低減され、公害防止に大きく貢献するものであります。
なお、今回完成しました廃食用油燃料化施設には以下の特徴があり、大型かつ高品質という点では全国初の設備となります。
①製造能力が5,000リットル/日と日本最大級です。
②エンジントラブルの原因と言われている製品燃料中のグリセリンを従来の半分以下の200ppm以下におさえ、また、硫黄分を10ppm以下にするなど従来の燃料化設備に比べて高度な製品品質を保持できる最新の技術を採用しています。
③反応後生成したメチルエステル中のメタノールは回収し、再使用しています。
本設備の発注者であり、またCOP3(地球温暖化対策京都会議)の開催地でもある京都市は、1996年からバイオディーゼル燃料のごみ収集車への使用を開始し、その後、一部の市バスでも燃料に使用してきましたが、今回の設備完成によりさらに安定的なバイオディーゼル燃料供給システムが整備されることになります。
当社は、「地球温暖化対策の目線でビジネスチャンスを拡大」をスローガンに、地球温暖化対策に貢献する環境事業戦略を展開しております。今回の設備では、二酸化炭素の排出抑制効果が年間約4,000トンと見込まれ、地球温暖化防止に大きく貢献するものでありますが、COP3開催の地である京都市にその象徴的設備を完成できたことは大きな誇りとするものであります。
当社は今後も、トップクラスシェアの固体廃棄物処理に加え、水・汚泥処理、土壌浄化、大気汚染防止やそれらの実績をもとにした運転・運営事業、PFI事業、AOM事業の強化を図るとともに、食品リサイクルをはじめバイオマス利用技術の拡販戦略も加速させていく所存です。
【本施設の概要】
施 設 名
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廃食用油燃料化施設 |
所 在 地
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京都市伏見区横大路 |
製造能力
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5,000リットル/日 |
発 注 者
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京都市 |
着 工
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平成14年11月 |
竣 工
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平成16年5月 |
写真:京都市バイオディーゼル燃料製造プラント