2004年03月03日
T字接合シールド工法の掘進機の初受注ならびに製作について
Hitz(日立造船株式会社)は、五洋・みらい・りんかい日産建設共同企業体( 特 ) より、既設トンネルのセグメントをシールド機で直接切削して、トンネルが接合できる「T字接合シールド掘進機」を初受注しました。本シールドは現在、製作中であり、本年4月下旬には
当社神奈川工場(川崎市川崎区)にて公開を予定しています。
本シールド掘進機は、到達部分にある既設下水管とT字形に接合する「T字接合シールド工法(通称:T-BOSS工法※)」で施工する予定です。従来工法では接合部に立坑を構築するのが一般的で、地盤改良や凍結工法で土木的に接合工事していました。今回はシールド機には、既設トンネルを直接切削して貫入できる「切削補強リング(シングルタイプ)」を格納装備しています。この切削補強リングは先端に特殊ビットを装備しており、鉄筋コンクリートの切削が可能であり、この切削リングは到達部のトンネル接合部材となり、機械的にトンネルをT字に接合するものです。
本シールド掘進機の特長は下記のとおりです。
(1)シールド機の形式は泥水式シールドで、既設トンネルへの接合に関しては、シールド機に格納されていた切削補助リングが、機械前面の先端部から押し出され、既設セグメントを切削します。この切削補助リングは、接合時の地山崩壊防止と止水の機能をもっているため、接合部の地盤改良が低減できます。また、切削と接合が機械的に行うため、安全かつ効率良く接合を行うことができます。
(2)切削ビットは、鋼製およびRCセグメントの切削が可能で、直接セグメントを切削して接合します。従って、新設トンネル側の接合作業で、既設管への接合ができます。
(3)切削補強リングが接合時の山留と止水の機能を持っているため、地盤改良が大幅に低減できます。これによって接合部分が大規模で高水圧下になるほどコスト低減効果が高まります。
(4)切削補強リングによる機械的な接合工法であるため、安全に効率よく接合することができ、工期短縮を実現できます。
(今回納入するシールド工事の概要)
工事名称 | 飛鳥山幹線その4工事 |
発注者 | 東京都下水局 |
施工者 | 五洋・みらい・りんかい日産建設共同企業体(特) |
シールド機 | 直径2.89m泥水式シールド掘進機 |
工事完成 | 平成16年3月末(予定) |
掘削開始 | 平成16年8月(予定) |
施工延長 | 約700m |