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構造

高速海底浸透取水システム(HiSIS)を用いたRO海水淡水化技術

従来の取水システムによる逆浸透膜(RO膜)を用いた海水淡水化プラントは、取水設備に海洋生物が付着するのを防止するために塩素系薬剤を投与しなくてはなりません。また、この塩素系薬剤はRO膜を傷める為、更に還元剤の投与も必要となります。
一方、これら薬品の投与はバイオファウリングの発生要因ともなり、その洗浄薬品処理でRO膜の寿命を縮めると言われています。
これらの薬品投与を必要としない取水システムに海底浸透取水方式(図1)があります。しかし、現在使われている海底浸透取水方式は濾過(浸透)速度が非常に遅く(浸透速度5 m/日程度)、取水量の多い場合には浸透取水面積が広大となります。
我々が㈱ナガオカと開発した高速海底浸透取水システムHigh-speed Seabed Infiltration System(HiSIS)を用いたRO海水淡水化技術は、薬品投与を必要としないだけでなく、最大浸透速度は100 m/日に達し、浸透速度5m/日の場合に比べ浸透取水面積は1/20になります。(図2)
HiSISによって取水された海水は、更にUF膜により10ナノメートル前後(1ナノメートルは1mmの100万分の1)の不純物まで取り除いた後、RO膜によって淡水化されます。
このHiSISを用いたRO海水淡水化技術は、慢性的水不足に悩む中東諸国での飲料水安定供給と環境負荷低減に大きく寄与することから、Abu Dhabi Water and Electricity Authority(ADWEA)の協力のもと、アラビア湾に実証設備を建設しています。

<技術研究所 環境・プラント研究室>


図1 海底浸透取水方式RO海水淡水化システム


図2 HiSISと緩速海底浸透取水式(従来型)との比較

フラップゲート式可動防波堤


図1 海底設置型フラップゲート式高潮・津波防波堤


図2 模型実験(左図:二次元水槽、右図:平面水槽を使用)


図3 陸上設置型フラップゲート式防潮堤

図1は、平常時には海底に倒伏格納され、津波・高潮来襲時には速やかに浮上・起立して背後域への浸水を防止する海底設置型フラップゲート式高潮・津波防波堤を示しています。実用化に向けたこれまでの研究開発では、浮上動作の確実性向上などの改善を実施し、実験および解析によって、その有効性を検証してきました。図2は、実際に実施した二次元水槽実験および平面水槽実験でのフラップゲート模型の設置状態を示しています。
また、海底設置型フラップゲートの研究開発で得られた知見を元に、図3に示すような陸上設置型フラップゲート式防潮堤も開発しました。本構造物は、無動力かつ人為操作なしに、開口部を閉塞することを最大の特長とする新しいタイプの津波・高潮防災設備です。
当社は、港湾などの沿岸海域およびその周辺地域の防災・減災かつ安全確保を目指して、今後も海底設置型・陸上設置型の両フラップゲートの研究開発を推進します。そして、実用化する所存です。

<技術研究所 プラント・エネルギー技術グループ>

数値シミュレーションによる可動式防波堤の性能検証

四方を海に囲まれたわが国において、津波や高潮は、沿岸地域に甚大な被害をもたらします。このような被害を少しでも軽減するため、当社では、フラップゲート式可動防波堤の開発を進めています。フラップゲートは、図1のように、通常海底に倒伏しており、津波や高潮が発生した際には、浮力によって浮上し、直立した防波堤となります。これまで、数多くの水理模型実験を通して、フラップゲートの防災性能を検証してきました。

また、当社では、模型実験と並んで数値シミュレーションによる性能検討も進めており、フラップゲートの運動と津波の流れを同時に取り扱える、重合格子法という計算手法を用いた数値解析モデルを開発しました。重合格子法は、構造物と流体がお互いに力を及ぼし合いながら運動するようなケースで特に有用な計算手法で、フラップゲートを対象とした数値シミュレーションにおいて非常に適した方法です。図2に計算結果の一例を示します。この数値解析モデルを用いることで、フラップゲートに作用する津波の波力を評価でき、実機設計において必要となる有用なデータを得ることができます。

<技術研究所 プラント・エネルギー技術グループ>


図1 フラップゲート式可動防波堤

図2 重合格子法による津波流れシミュレーションの一例

研究開発・技術