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流体

粒子法による解析技術

数値流体力学(CFD : Computational Fluid Dynamics)の一手法である粒子法は、格子の生成が不要で、自由表面を取り扱う現象、固体・流体の連成問題、移動境界問題など、流れ場が大きく変形するような現象への適用性に優れています。

当社は、その粒子法の一つであるMPS法(Moving Particle semi-implicit method)を用いて自由表面を有する現象を扱った流体解析ソフトを開発しました。

図1は可動壁に支えられた水柱について可動壁を瞬時に引き上げ、水柱の崩壊が始まりやがて壁に衝突して、初期の水柱高さまで水が跳ね上がる様子を示した計算結果です。図2は壁を動かすことによって造波し、その波が進行して浮体に衝突して波が砕け、浮体が挙動する様子を表した計算結果です。粒子法による解析技術は、流体現象だけでなく構造物の変形等も扱うことができ、様々な製品に適用可能です。今後、本手法を用いて更なる適用範囲を広げ、数値シミュレーション技術の高度化に取り組みます。

<基盤技術グループ>


図1 水柱崩壊

図2 波浪中の浮体の挙動

希薄流体解析技術

真空というと“何もない”、というイメージがありますが、工業的な真空とは希薄な気体の状態を指します。大気圧(105Pa)では1m3の大きさの中に1025個もの分子が存在しますが、例えば、10-5Paの雰囲気中にも1m3あたり1015個もの分子が存在しています。しかし、この状態では分子同士が衝突するまでの平均移動距離は1kmとなり、なかなか衝突が起こらないために、大気圧下での連続流体とは異なる特性を表す“希薄流体”として扱います。
DSMC(モンテカルロ直接法)は膨大な数の分子を分子群として捉え、確率論から分子の挙動を解析する手法です。DSMCを用いると 高性能なパソコン程度で希薄流体での分子挙動をシミュレーションすることが可能となります。
当社ではDMSC技術を、有機EL製造装置(図1)やプラズマCVD装置に適用し、製品設計のスピードアップや信頼性向上につなげています。図2は、真空中にあるノズル先端から分子が噴出する場合について、希薄流体のDMSC解析を行った結果を示したものです。分子はノズルから放射状に広がっており、大気中の連続流体であればジェット流になることに対して、希薄流体である特長が示されています。このように、蒸着させたい希薄流体の挙動を把握し、最適な装置形状を決定する設計データなどに活用しています。

<技術研究所 プラント・エネルギー技術グループ>


図1 有機EL製造装置

図2 希薄流体解析例

2相流CFD技術を製品設計に活用

流れをコンピューター上で再現するCFD(Computational Fluid Dynamics: 計算流体力学)技術は、物理現象の解明や製品設計を行う際の有用なツールとして知られています。この技術を用いることにより、今まで把握できなかった現象の解明や詳細な製品設計データ取得が可能になります。
気相と液相が混在する2相流に関するCFD技術について当社では継続的に研究を行い、MSF(Multi Stage Flash: 多段フラッシュ)造水装置(図1)の凝縮器内流れをシミュレートできるCFDプログラムを開発しました。凝縮器内には海水を蒸発させて発生した蒸気と凝縮水、および非凝縮性ガスが混在しており、複雑な流れになっています(図2)。図3は凝縮器の性能に悪影響を与える非凝縮性ガスが滞留する様子のシミュレーション結果を表しています。このようにCFD技術を用いて、凝縮器の性能を定量的に評価し、非凝縮性ガスが排出されやすく高性能な凝縮器の設計指針を構築しました。

<技術研究所 プラント・エネルギー技術グループ>


図1 MSF造水装置フロー図


図2 MSF造水装置凝縮器内流れ概要

図3 非凝縮性ガス体積率シミュレーション結果

多重効用造水装置

多くの国で水不足問題が深刻化するなか、無尽蔵の水資源である海水を淡水化するニーズが世界各地で高まっています。当社では1970年代から海水淡水化に取り組み、継続的に研究開発を推進して、海水淡水化技術発展の一翼を担ってきました。そして、近年では多重効用法(MED:Multi Effect Desalination)に蒸気圧縮法を適用した高効率のシステムを商品化開発しました。このMEDのプロセスを図1に示します。水平に配置された伝熱管群の上部から海水を供給し、伝熱管の外面に液膜を形成しながら、管内側を流れる蒸気によって加熱され、蒸発して蒸気となります。発生した蒸気は次段の伝熱管内に送り込まれ、管外の海水によって冷やされ真水となります。このサイクルが最終段まで繰り返し行われます。そして、最後に低温/低圧の蒸気の一部を蒸気エゼクタ-で圧縮し、再度加熱蒸気として利用する蒸気圧縮法を組み合わせることで熱効率を上げています。
今後も絶えず技術力の向上に取り組み、世界中の水不足解消のため高品質のMED造水プラントを市場に提供していきたいと考えています。

<技術研究所 プラント・エネルギー技術グループ>


図1 MEDのプロセス

研究開発・技術