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2016年02月18日

耐久性と安全性を向上させた全固体リチウムイオン二次電池を開発~低温から高温まで動作可能かつ長寿命~

Hitz日立造船株式会社は、このほど、硫化物系固体電解質を使用した全固体リチウムイオン電池を開発し、従来の電解液系リチウムイオン二次電池と同等の性能を発揮することを確認しました。
なお、当社は2016年3月2日(水)~4日(金)に東京ビッグサイトで開催される国際二次電池展に出展します。
 

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図1 全固体リチウムイオン二次電池   図2 全固体リチウムイオン二次電池の内部イメージ図



現在、普及しているリチウムイオン二次電池は小型かつ軽量化が図れるため、スマートフォンやノートパソコンなどの携帯可能な小型電子機器の電源として利用されています。現行の多くのリチウムイオン二次電池は電池内部が電解液で満たされており、電解液中をリチウムイオンが行き来することにより充放電しますが、電解液として有機材料を使用しているため、耐久性や安全性に課題を抱えています。
当社は、リチウムイオン二次電池の耐久性と安全性を向上させるため、電解質に液体ではなく、固体を使用した全固体リチウムイオン二次電池の開発に取り組んでいましたが、機械メーカーである当社独自の製造方法により、耐久性に優れ、かつ製品化に適した全固体リチウムイオン二次電池の開発に成功しました。
なお、当社が開発した全固体リチウムイオン二次電池の主な特長は次のとおりです。
【特長1:大気圧下での充放電が可能】
従来の全固体リチウムイオン二次電池は、固体電解質の材料粒子間のイオン伝導性を保持するために機械的に圧力を加えた状態で充放電を行う必要がありました。当社は独自の薄層成膜かつ加圧成型技術により材料粒子間のイオン伝導性を向上させることで、機械的加圧なしでの充放電が可能です。
【特長2:フラット化により積層が可能】
本電池は、電池本体部分の厚さ約0.3mmのフラットな形状であり、また電解質が固体で流動性を持たないため電池の複層化が可能です。これにより電解液系リチウムイオン二次電池と比較して、小型化を図ることが可能です。
【特長3:広い温度環境で使用可能】
本電池の温度への影響を評価したところ、摂氏マイナス40度から摂氏100度での充放電を確認しており、厳しい環境下での使用が可能です。
【特長4:長寿命】
室温において全固体リチウムイオン二次電池の充放電のサイクルテストを実施したところ、100回で容量維持率98%、400回で容量維持率96%を実現しました。理論的には、一般的な使用の下で90%以上の容量維持率を約7年間保つことができ、長寿命の性能を有しています。

当社は、すでに100mm×100mm×厚さ0.3mm(電池パッケージを含まず)の薄膜電池を試作しており、電池の評価については株式会社本田技術研究所をはじめ、複数の企業に協力いただいています。また、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙探査イノベーションハブの取り組みにおける平成27年度研究提案募集の中で「革新的蓄電池技術の実現」案件に採択され、民間企業の技術を宇宙分野へ適用する活動へも参加していきます。今後、製品化に向けて生産設備を整えて、2017年度中のサンプル提供の開始を目指しています。
全固体リチウムイオン二次電池は、電気自動車、滅菌加熱が必要な医療機器の電源、長寿命を要する定置向け蓄電池、宇宙・深海などの極限環境下での機器などの用途が見込まれており、低炭素化社会の構築に必要不可欠な要素となっています。当社は全固体リチウムイオン二次電池の製品化および量産化を早期に実現させ、各産業分野の発展に貢献できることを目指します。

ニュースリリース